EU・カナダ包括的経済貿易協定(CETA)、暫定適用を開始

 9年間の交渉を経て、9月21日より欧州連合(EU)とカナダはCETAの暫定適用を開始すると発表した。これにより貿易品目の99%について関税が撤廃されることとなり、両者にとって

 カナダにとっては5億人の消費者市場が開け、実質国内総生産(GDP)年率は0.77%増となる予想だ。一方、EUにとってはカナダ人口の3600万人の消費者増及びGDP年率0.08%増にとどまるため、カナダに有利な協定といえる。とはいえ、大西洋を挟んだこの協定により、貿易額が20%拡大し、カナダ及びEUのGDPはそれぞれ291億ユーロ、120億ユーロ増加することが見込まれている。しかし、反対表明も目につく。フランスでは左翼、極左、環境保護論者、NGOが反対集会を開き、地球温暖化への影響を訴える。

 協定は今後EU加盟各国の国会とそれに準じる議会、計38議会による批准を経て正式に発効する。現在は未だ6カ国(ラトビア、デンマーク、スペイン、クロアチア、マルタ、チェコ)しか批准しておらず、道のりは長い。

[Les Echos 2017/09/21 - p.1, 7, 9]

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