欧州の鉄鋼事業 印タタと独ティッセン来年統合

 インドのタタ製鉄とドイツのティッセン・クルップは水曜日、来年統合することを合意した。新会社「ティッセン・クルップ・タタ製鉄」はオランダに本社を構え、34の工場と、4万8千人の従業員を有することとなり、アルセロール・ミタルに次いで欧州では第2位の鉄鋼事業となる。年間鋼材出荷量は2100万トンとなり、中国の生産過剰に直面していた鉄鋼事業が生き抜くためには、唯一の選択肢だった、とティッセン・クルップのハインリッヒ・ヒーシンガー社長は言う。

 4億から6億ユーロのシナジー効果を見込むと同時に、最大4000人の人員削減を進めるが、これに対してドイツのティッセン・クルップの労働者代表は反対運動を続けている。労使協議会副会長兼監査役会のメンバーを務めるテキン・ナシコル氏は、タタ製鉄には役員会に従業員代表が参加する風習がない等の印独間で文化の違いがあり、年金基金の懸念もある等の理由を挙げて、反対している。

 また、ドイツの社会民主党(SPD)は、同社の人員削減と本部をオランダに移すことについて、容認できない、と断定した。

[Les Echos 2017/09/21 - p.14]

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