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欧州の鉄鋼事業 印タタと独ティッセン来年統合

 インドのタタ製鉄とドイツのティッセン・クルップは水曜日、来年統合することを合意した。新会社「ティッセン・クルップ・タタ製鉄」はオランダに本社を構え、34の工場と、4万8千人の従業員を有することとなり、アルセロール・ミタルに次いで欧州では第2位の鉄鋼事業となる。年間鋼材出荷量は2100万トンとなり、中国の生産過剰に直面していた鉄鋼事業が生き抜くためには、唯一の選択肢だった、とティッセン・クルップのハインリッヒ・ヒーシンガー社長は言う。 4億から6億ユーロのシナジー効果を見込むと同時に、最大4000人の人員削減を進めるが、これに対してドイツのティッセン・クルップの労働者代表は反対運動を続けている。労使協議会副会長兼監査役会のメンバーを務めるテキン・ナシコル氏は、タタ製鉄には役員会に従業員代表が参加する風習がない等の印独間で文化の違いがあり、年金基金の懸念もある等の理由を挙げて、反対している。 また、ドイツの社会民主党(SPD)は、同社の人員削減と本部をオランダに移すこと...

2017.09.21 03:27

EU・カナダ包括的経済貿易協定(CETA)、暫定適用を開始

 9年間の交渉を経て、9月21日より欧州連合(EU)とカナダはCETAの暫定適用を開始すると発表した。これにより貿易品目の99%について関税が撤廃されることとなり、両者にとって カナダにとっては5億人の消費者市場が開け、実質国内総生産(GDP)年率は0.77%増となる予想だ。一方、EUにとってはカナダ人口の3600万人の消費者増及びGDP年率0.08%増にとどまるため、カナダに有利な協定といえる。とはいえ、大西洋を挟んだこの協定により、貿易額が20%拡大し、カナダ及びEUのGDPはそれぞれ291億ユーロ、120億ユーロ増加することが見込まれている。しかし、反対表明も目につく。フランスでは左翼、極左、環境保護論者、NGOが反対集会を開き、地球温暖化への影響を訴える。 協定は今後EU加盟各国の国会とそれに準じる議会、計38議会による批准を経て正式に発効する。現在は未だ6カ国(ラトビア、デンマーク、スペイン、クロアチア、マルタ、チェコ)しか批准しておらず、道のりは長い。[L...

2017.09.21 03:26

住宅政策、意欲的な改革案

 フランス政権は土地を解放し、建設を促す税制改正法案を検討している。殆どの提案は前政権で試されており、新築住宅建設の下支えとなるが、不動産価格の引き下げには繋がってきていない。 ジャック・メザール国土団結大臣及びジュリアン・ドノルマンディー副大臣は住宅政策を発表し、供給ショックによる不動産価格の引き下げのために「より多く、よりよく、より安く」建設工事がなされるよう促すことを明らかにした。税金免除や不動産税の軽減等による土地の解放、土地入手者及び投資家への税法上の補助の延長等の政策により、建設数が増加すると見込まれている。すでに2016年には新築住宅の建設数47万戸に達していたが、さらに需要があるところへの住宅建設が狙いだ。ただし、当該政策の全体像は曖昧であり、10月1日より適用される住宅ローン返済補助手当(APL)額を月額で5ユーロ減額するという政策も含まれる。 また、政府は公営住宅の賃借料の値下げも約束するが、その一方で多くの建設業者を経営難に陥らせ、マクロン大統領...

2017.09.21 03:24

グランパリ計画に向け、汚染された荒地の識別進む

 グランパリ計画に向けて、国は土地の識別を急いでおり、800もの土地がSIS(汚染のある土地についての新しい分類)として登録される予定である。 毎年7万戸もの建物が建設される中心地域においては、2024年にはパリオリンピックが開催されることに伴い、荒地は貴重な資源となっている。その一方で、荒地はかつて工場として使われていた場合も多く、水銀等による汚染がしばしばある。その土壌汚染について、自治体はその情報を更新・登録していない場合も多い。そこで、近年導入されたSISという分類により、汚染された土地についての情報が集約され、建設工事の際には土地の汚染調査が義務付けられるようになった。 その目的の一つは、土地の調査の改善である。従来はBASOL、BASIASといった土地汚染データベースが運用されていたが、不十分と判断されたため、SISが導入され、綿密な調査が期待される。さらに、汚染地の開発を容易にすることも期待される。デベロッパーは開発地が汚染されていることに気づくと、予算...

2017.09.21 03:23

ネスレ、医薬品ガルデルマ、400人大幅リストラ

 世界最大の食品会社ネスレは、南仏のソフィア・アンティポリスにある子会社、皮膚専門医薬品ガルデルマの研究開発センターの人員を550人から150人に削減する旨発表した。イタリアおよびスイスの子会社でも同様のリストラ策が発表されており、アメリカ人アクティビストDaniel Loeb氏からの株価向上を狙った圧力が背景とみられる。 ガルデルマはネスレスキンヘルスの子会社であり、2014年にロレアルからジョイントベンチャーによって買収していた。8月末には生産コストの圧迫により、ガルデルマのスイス・エガーキンゲンの生産研究施設の閉鎖を発表していたところである。ソフィア・アンティポリスは外用医薬品を専門としていたが、ネスレスキンはバイオテクノロジーに注力する方針だ。 一方、ネスレはイタリアのチョコレート生産に目を向けており、昨年かの有名なBaciを生産するペルジーナのサンシスト工場に6000万ユーロの投資をした。 火曜日にはネスレの新社長Mark Schneider氏が株主総会にて...

2017.09.21 03:05

社会保障の赤字、会計検査院が報告

 会計検査院は水曜日、2020年には社会保障が釣り合うという内容の社会保障の財務報告書を発表した。この実現のためには、40億ユーロの節約及び健康保険料の増加等の努力がなされる必要がある。同報告書によると、健康保険の収支の均衡は四半世紀にわたり最重要課題とされてきている。また、社会保障の赤字は支出の増加により2002年から続いており、その歳出は2015年からは国内総生産よりも多額だ。そして、この不健全な財政は、老齢連帯基金から製薬など医療予算を出すという事態まで招いている。 さらに、検査院は2018年より年金の増加は加速する(+2.1%、2017年は+1.7%)、と強調している。そして、たとえ社会保障が釣り合ったとしても、清算されなければならない公的債務残高は依然としてある。確かに減少し始めてはいるものの、2016年には約1兆5110万ユーロにものぼった。この状況の中で、検査院は「構造的アプローチ」を推奨する。[Les Echos 2017/09/21 - p.1, p...

2017.09.21 03:01

味の素、仏冷凍食品会社ラベリ・テレトル・スージェレ社(LTS)を買収

 味の素はフランスの冷凍食品会社LTS社を買収することを決定し、欧州冷凍食品事業の強化を狙う。今後LTS社のヌブール工場を活用して、長期的にヨーロッパにおけるアジアン冷凍食品市場を開拓する目標を掲げる。一方、LTS社の経営者は味の素の販路を活用して、日本を始めとする世界の市場にフランスの商品を展開させる。 LTS社は1986年に設立され、親会社ラベリ・ファイン・フーズ社(LFF)のもとで冷凍食品を製造、販売していた。2つの工場と316名の従業員を抱えており、2016年度の売上高は約5千万ユーロに達していた。この買収により、LFF社は冷凍食品事業を手放し、中心事業であるスモークサーモンとフォワグラに注力する。 一方、味の素は1909年に設立され、130カ国128の工場、3万人超の従業員を持った大手食品企業である。味の素は2016年よりフランスの冷凍食品市場に商品を投入しており、仏小売り大手のカルフールの店舗で販売を開始していたが、今後さらなる冷凍食品事業の成長を加速させ...

2017.09.21 02:55

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